看護師と患者の関わりにおいて、情報共有は欠かせないポイントになる。
病状や治療計画をわかりやすく説明することは、患者が健康管理に積極的に参加し、治療の効果を最大化するうえでも重要な要素になるからだ。
また、的確な情報を提供する中では、こまめに疑問を汲み取り、丁寧に答えなければならない。
そうすることにより、患者が自分の状態や治療を深く理解し、自分から相談してくれるようになる。

相談対応においては、看護師側の聴く力が最も大切な部分になる。
患者が自身の体験や思いを語りだしたときには、相手が落ち着くまで耳を傾けよう。
話の途中で口を挟み、解決策やアドバイスを伝えるのは、事務的な印象を与えるため避けるのが望ましい。
患者の意見を尊重し、共感と理解を示すことで、お互いの間に良好な関係性が生まれるのだ。

一方で、看護師が話すターンになったら、できるかぎり明瞭な意思疎通を心がけることが大切だ。
わかりやすい言葉、適切な声のスピード、トーンを意識して話すことで、相手が情報を正しく受け取ることができる。
その中で、笑顔を保ち、親しみやすい印象を与えれば、相手はより安心感を抱き、円滑な関係を築けるだろう。

上記で看護師と患者の関わりのポイントを挙げたが、これらを実践することで関係構築がすぐに進むわけではない。
治療初期の患者の多くが、病気に不安と恐怖を抱き、落ち込み心を閉ざす傾向にあるからだ。
深い信頼関係を築くためには、長期的な視点で地道に積み重ねていかなければならない。
よって、根気強く、患者に向き合おうとする覚悟が必要になることを認識しておいた方が良いだろう。