看護師が患者と関わるにあたって、相手を積極的に知ろうとする姿勢は欠かせない。
患者に対する理解度は、信用や信頼に直結するからだ。
前提として、個々の患者の医療情報はしっかりと把握しておこう。
病歴や症状、治療計画やアレルギーなどの詳細な情報を頭に入れておくのは、適切なケアを提供するために最も重要だ。
これにより、患者の特定のニーズやリスクを把握しつつ、最善のケアを実践できるようになる。
さらに、求められることを先回りして察知できることで、用意周到な形で円滑に治療を進められるのもメリットだ。

また、患者一人ひとりのコミュニケーションスタイルや情報の受け取り方を知るのも大事なポイントだ。
患者それぞれの育ってきた環境、そして価値観が違う以上、コミュニケーションの在り方も、個人個人で異なってくる。
たとえば、直接的な言葉での説明を求める人もいれば、優しい言葉遣いや共感的なアプローチを求める人もいるだろう。
それを理解し、患者ごとの好みやニーズに合わせてコミュニケーションスタイルを変えていくのが望ましい。

その中で、患者とのやりとりの質をさらに高めるには、非言語コミュニケーションも大事な要素となる。
患者の表情やしぐさ、声を掛けたときの反応など、言葉ではなくサインを読み取り、感情や状態を汲み取るようにしよう。
実際、患者が痛みや不安を感じているとき、表情や身体に緊張が見られるものだ。
こうしたサインを敏感に察知できれば、よりスムーズな意思疎通を可能にできるだろう。